会 場

 

酒遊舘及び酒蔵 

レセプションや、コンサート会場として「酒遊舘」さんを、展示会場として西勝酒造さんの酒蔵の一部を使わせていただきました。 
近江八幡旧市街の調度中心に位置する「酒遊舘」は、もともとは真向かいの西勝本家の蔵で造られた酒を熟成させるための蔵として使われてきたものです。今はカフェ、またギャラリーやコンサートホールとして多目的空間として使用されています1994年、ここが誕生して以来10年以上にわたり、近江八幡の文化発信基地のひとつとして、また町のランドマーク的存在として人々に愛され親しまれています。 
本家であるその向かい側の江戸期創業の西勝酒造さんの酒蔵は表からは創造のできない大きさ、中に入ってその全貌を見て驚きの声をあげない人はいません。会場には奥の部分、1階(約200u)と2階の空間(約300u)、そして酒を蒸すところだった真っ暗になる部屋(約50u)を使わせていただきました。そしてそこにいたる通路も滋賀県立大の学生さんたちがきれいに片付けて空間デザインをしてくれました。 

酒遊舘 
ギャラリー空間:オープニングレセプション〜橋本雄大“鉄叩き”パフォーマンス、大川倫弘”犬仮面“パフォーマンス、小松正史ピアノ演奏、イザベル・アキリサン独唱、フィリップパフォーマンス、富永進ケイナ演奏、等 

ギャラリー空間:小松正史ピアノライブ 

カフェの2階:フィリップお茶会 

ギャラリー空間:元井美智子 琴のコンサート 

ギャラリー空間:クロージングパーティー〜日詰明男 フィボナッチケチャックコンサート、珍獣王国コンサート 

作品展示 
酒蔵奥の1階:ガブリエラ・モラウェッツ 
2階:パンチョ・キリシ  田中太賀志 
酒むろ:日詰明男 

カネ吉別邸 

近江牛で有名なカネ吉さん所有の町家さん。もともと材木やさんだったそうで様式は表家造り。さすが材木やさん、使われている柱や梁などのガッシリと力強いさまは、この町家の風格を物語り往事の繁栄をしのばせます。ここは展示場のみならず本部としても使用させていただきました。総合案内所や、アーティストグッズを売るブティックなども設け、来場された方がほっと一息つけるよう冷たいお茶のサービスもさせていただきました。土間を使ったブティックの空間造形は京都造形大学空間デザインチームの学生さんたちが受け持ってくれました。また荒れ放題だった庭は若き庭師の面々“農芸裸”が週末ごとに手入れにきてくれ見違えるようなりっぱな庭に仕上げてくれました。その他、7人の建築家グループ“号外”はいすや、テーブルを
で造ってくれました。それは一見するとイグサのような感じ、暑い夏にはぴったりの涼しげな見た目のみならずな肌触りも抜群でした。 

またここでエリザベス・オジェとガブリエラ・モラウェッツの野の花や野菜、果物を使ったワークショップ、カン・コンスンの韓国の伝統音楽のワークショップ、日詰明男の竹のフィボナッチケチャックワークショップなども行ないました。 

蔵:榎忠 

1階:フィリップ、ガブリエラ・モラウェッツ 
2階:中田洋子 

喜多利邸 

ここは町の1番の魅力といってもいい八幡堀りに面した町家さん。堀をはさんで真向かいは瓦ミュージアムになっています。ここはもとは畳屋さんだったとか。今は商店街連盟が所有しておられ、なにも使っていないからと、1年間お貸しくださり、滋賀県出身のアーティスト野田幸江が住み、離れの襖絵を8枚つまり16面描き上げました。1年の年月をかけた渾身の作であるこの作品は、今回のビエンナーレの代表作といってもいいでしょう。道に面するファサードは道路拡張の折に削られたとかで、町家の面影はないのですが、裏のお堀に面する側は石垣も健在でその上にそびえるようにして建つ喜多利邸は本当にりっぱ。ただやはりかなり傷みは激しいのですが・・・。 
ここのお庭も作家自身またそのご家族の協力できれいに整えられました。 

会期中は野田幸江の粘土のワークショップ、二宮知子の絵画及び幻燈作りワークショップ、日詰明男の竹のフィボナッチケチャックを行い、また束芋さんをお迎えしてのゆるゆるシンポジウムも開催しました。 

蔵:二宮知子 
離れ:野田幸江 
母屋:田中太賀志 

トキハ舘 

半世紀の歴史を刻む映画館トキハ舘は10数年前80年代後半にその歩みを止めて以来閉ざされたままになっていました。ここをひと目みたとたんに魅入られてどうしてもという強い思いを抱いた谷口正博+林ケイタは、BIWAKOビエンナーレのなかでのトキハ舘プロジェクトを監修。30日間自身のインスタレーションをする他に、数々の上映プログラムをすべて敢行してくれました。中田による選出は、座席部分を使ってのインスタレーションをした小笠原寛夫+藤吉正也、そこでのコンサート「floa.tage」高橋匡太+山中透+カンコンスン+玉城そのみ、近江八幡出身パリ在住の映像作家河村勇樹のみで、あとの選出はすべて谷口+林によります。過去トキハ舘で上映した昔懐かしい作品から、若き学生による作品、また榎忠の「PLAY STATION」松本俊夫の「ドグママグラ」など多彩に展開しました。 

コンサート:「floa.tage」高橋匡太、山中透、カンコンスン、玉城そのみ 
インスタレーション:谷口正博+林ケイタ、小笠原寛夫+藤原正也 
映像:河村勇樹、松本俊夫、他 

ハイド館 

ここの名のもととなった1931年ハイド氏によって寄贈されて以来近江兄弟社学園の幼稚舎として2003年まで使われていました。20世紀初頭1905年に現八幡商業高校の英語教師として来日したウェリアム・メレル・ヴォーリズ氏は1964年にその生涯を閉じるまで、日本全国において数々の偉業を成し遂げ、その稀にみる才能とキリスト教精神に基づいた暖かい人柄はいまなお人々に愛され語り継がれています。そして彼のもっとも愛した近江八幡には彼の設計した建物が今も町に点在し、その建築を見るためにこの地を訪れるひとも少なくありません。 
今回、近江兄弟社学園さんのご協力により貴重な文化財であるハイド記念館をお貸しくださるとともに、学園前の建物を事務所として使用させていただきました。 
そしてヨシ博物館の館長さんのご好意でヨシとヨシ紙を提供していただき、作家のインスタレーションに使わせていただきました。 

教室1:小松正史 
教室2、3:小松正史+平垣内悠人+木村守正 
教室4:イザベル&アルフレド・アキリサン 

ユースホステル脇の竹やぶ 

ここは明治42年に蒲生郡で勧業館として建設された建物を昭和39年に移築されたもので、その堂々たる木造建築はユースホステルと呼ぶのが憚られるくらいりっぱなものです。そこのオーナーの方が敷地にある竹やぶを展示会場として提供してくださいました。 

二名良日 

ドコモの森及び長明寺国民休暇村運動ひろばグラウンド 

近江八幡国民休暇村は琵琶湖を臨む絶好のロケーション。そのあたりは国定公園にも指定され自然豊かな地域です。そこに位置するに国民休暇村運動ひろばグラウンドは青々とした芝生が広がり小鳥がさえずる気持ちのいい空間です。そしてそこに隣接する森は一部をドコモさんが国から借り受けさまざまな催しをして自然環境保護に取り組んでおられます。国民休暇村さん、そしてドコモさんの協力のもとに、そこが展示とワークショップ会場となりました。 

作品展示:二名良日、日詰明男、 
ワークショップ:二名良日+エリザベス・オジェ、日詰明男、 
パフォーマンス:橋本雄大 

今回のBIWAKOビエンナーレでは、ひっそりと誰も顧みることのなくなった空間がアートの力で甦り、いきいきと輝くことを皆さんにお伝えできたのでは、と思っています。 アートが息づくこの町で皆さま自身も心の栄養を吸収していっていただけたのであれば主催者一同このうえない幸せです。これをきっかけに近江八幡が文化芸術の町とし て世界にも名を馳せるすばらしい町へと発展していきますよう心より願ってやみません。

最後になりましたが、このBIWAKOビエンナーレ“QUANTUM LEAP”を開催するにあたり ご支援ご協力賜りました地元の方々はじめ、全国から集まってくださいましたボラン ティアの方々、ご協賛ご助成いただきましたスポンサー各位に厚くお礼申し上げます。 そして作家という立場でありながらスタッフ同様あるいはそれ以上に汗をしてともに このBIWAKOビエンナーレをつくり盛りたててくださったアーティストの皆さま、ほん とうにありがとうございました。共有させていただいた時間こそは、生涯忘れえぬか けがえのない宝物、キラ星のごとく胸の中でいつまでもその輝きを失うことはないで しょう。

中田洋子
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